※ 随時,増補改訂していきます。
2011年5月 第1版
今では,大学や学部によっては卒業論文不要というところも出てきているようです。しかし,芸術系や工学系など,論文としてではなく卒業制作をおこなうという場合でなければ,やはり卒業論文は“大学生としての基本能力”を身につけたかどうかの集大成であり,必ず執筆すべきものだと,私は考えます。
では,“大学生としての基本能力”とは何か。文部科学省やその審議会などが“学士力”という言葉でもっていろいろ詳しく説明してくれていますが,ここではとりあえず
という4段階を,ちゃんとできるかどうかだと考えています。これは,別に“学者”あるいは“学生”だけが必要な能力ではありません。むしろ,社会に出てから,とてつもなく重要な意義を持つ能力なのです。
しかも,これは社会に出て,忙しくなってから身につけようと思っても,なかなか難しいのが実情です。それに,ビジネスをはじめとして,社会(→自らの活動に対して,対価をもらえるという意味での「プロフェッショナル」によって構成されている)では,この能力が身についているということが前提となっています。
つまり,卒論を「テキトーにやったら何とかなるやろ」と考えている人は,あとで痛い目を見ることになるわけです。
あとで書きますが,卒論のテーマ設定には,ある程度の自由度があります(もちろん,何でもありというわけではありません)。それだけに,自分で考え,自分なりに回答を提示するということが重要になるのです。
卒業論文は,学生であるみなさんが社会人として通用しうるかどうかの“学生時代の最終関門”です。「今まで,こんなに一生懸命にものを考えたことなかった」というくらいのエネルギーを注いでください。
卒業論文は,今までの先輩たちも,書き始める頃は「絶対ムリ」て言っていました。しかし,本当に書けずに挫折していった先輩たちは,ほとんどいません。つまり,「できる」ってことです。
がんばりましょう。私もサポートします。